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「サッカーワールドカップ過去の優勝国は、キリスト教文化圏の国」

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今回は専門のスポーツに少し書きたいと思う。

 

文化比較論のという分野がある。

その名の通り、文化を比較する分野なのだが、この文化というカテゴリーは大きい。

全ての問題を「文化の違い」で片付けることもできる。便利な言葉だ。

しかし、その文化は、考え方を作り、生活に影響を与える。

 

その考えは、どうスポーツに影響するのかというのことを掘り下げていきたい。

 

そこで、おすすめの本を一冊紹介したい。

 

吉崎エイジーニョさんの『滅私とメッシ』という本だ。

こちらは、ほんとに興味深い内容ばかりだ。

 

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西欧では社会というときに、個人が前提となる。個人は譲り渡すことのできない尊厳をもっているとされており、その個人が集まって社会をつくるとみなされている。

したがって個人の意思に基づいてその社会の在り方も決まるのであって、社会を作り上げている最終的な単位として個人があると理解されている。日本ではいまだだに個人の尊厳があるということは十分に認められているわけではない。

個人が自分からすすんで世間をつくるわけではない。何となく、自分の位置がそこにあるものとして生きている。

 
ヨーロッパ=強い尊厳をもつ個人がまず存在し、その集合体として社会が存在する。

日本=個人よりもまず、正体のわからない世間が重要視される。人々はそこに合わせてうまく暮らしていくことを考える。

 


ここでいう「社会」「集団」を「サッカーチーム」に置き換えてみたら。


ヨーロッパ=自分の個人能力を発揮することこそがチームのためになる。


日本=自分を犠牲にしてでもチームのために戦うことが美しい。


これだけ背景の違う社会で育ったのだから、ピッチの上で両チーム22人がボールを蹴り、一定時間で最終スコアを競い合えば違いが出るというものだ。

 

「過去の優勝国は、キリスト教文化圏の国」
第一回大会優勝のウルグアイから第19回大会優勝のスペインまで(2014優勝 ドイツ/2018優勝 フランス)、世界の頂点に立った国は、すべてカトリックもしくはプロテスタントの国なのだ。いうまでもなく、サッカー発祥の地イングランドもそう。大会の歴史が80年以上続くなかで、一度たりともキリスト教文化圏以外の優勝国がない。女子のワールドカップでも、2011年大会のなでしこジャパン以外は、すべてキリスト教文化圏の国となっている。


つまり、キリスト教文化圏に則った考え方でプレーするか、しないかが大きな分岐点になるということだ。これが「個」と「組織」という考え方の根底で影響をおよぼしている。知っての通り、ヨーロッパ社会での「宗教」は日本のそれよりも圧倒的に影響力が強い。

 

パーソナリティ=個

 
キリスト教的な文脈で読み解くことができる。個人とは「その人でなければならない」という発想だ。

 

筆者の吉崎エイジーニョさんも僕自身も、キリスト教は優れている!!とかそういう話をしたいわけではない。しかし、個の尊重は見習うべきことだなと強く思う。

 

個人が集合して、集団になっているという考えは、

一人一人を想う、大切にするというマインドに繋がる。

 

この考えの違いは、実際にドイツでプレーしているときに感じた。チームマネジメントの面で個人を尊重して、チームを作り上げていく。

 

個人がいて、組織がある。個人がいるから、組織になるのだ。

少し自己中心的なエゴイスティックな考え方かもしれないが、その考えが組織を活性化していくのだと信じている。

 

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その中で、One for all. All for one. のバランスをとっていくのが監督の役目だと思うんですよね。それは、チームマネージメントであり、チームビルディングであり、コーチングとかそういう分野になっていくので、今回はこの辺で締めたいと思います。

 

 

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